皆さんこんにちは!
Physical Therapist Life 運営者の RH-Chihuahua です!
理学療法士として働いていると様々な職種の方と関わる機会が多いことが分かります。
そこで、今回は、介護福祉士さんをご紹介します。
この記事を読んでほしい読者
- リハ職を目指している学生
- 理学療法士として勤める前に多職種について調べておきたい人
- 現役ケアワーカー
特に、
”リハビリ専門職の大きな壁の一つ『実習』…”
”実習の中でレポート作成に必須とも言える情報収集…”
・ 多職種からの情報収集が上手くいかない…
・ そもそも何を聞くのが正解なんだろう…?
と、疑問や不安を抱えている学生さんにオススメの記事となっています!
そもそも介護福祉士って何? 介護士と何が違うの?
先輩方はケアワーカーさんって言ってるけど…
介護福祉士と介護士って何が違うの?
業務自体は大きくは変わらないよ!
介護福祉士と介護士の違いを要点にまとめて説明しよう!
– 資格の違い
介護福祉士
介護福祉士は、特定の資格を持つ専門職です。
日本国内で設けられている介護福祉士の国家試験に合格することで取得できます。
資格取得には一定の学習と試験が必要です。
介護士
一方、介護士は、特定の資格取得が必須ではありません。
一定の教育を受けたり、実務経験を積むことで、介護施設などで働くことができます。
大きな違いは、国家資格であるかどうかだね!
介護士のキャリアアップには必須の資格とも言えるよ。
– スキルや知識の違い
介護福祉士
介護福祉士は、介護技術や倫理、法律などの知識を体系的に学ぶ教育を受けています。
より専門的なケアやサポートが求められるケースに対応できるスキルがあります。
介護士
介護士も基本的な介護技術やコミュニケーションスキルを持ちます。
が、介護福祉士ほど広範な専門知識やスキルを持っているわけではありません。
もちろん、介護士だから専門性が劣っている訳ではない!
現場経験が多く技術・知識豊富な介護士もいるよ!
– 役割の違い
介護福祉士
介護福祉士は、利用者のニーズ※1に合わせた専門的なケアプランの立案や実施、
心理的なサポートなど、幅広い役割を果たします。
※1 … 生活全般の解決すべき課題
介護士
介護士は、基本的な日常生活のサポートやケアを提供することが主な役割です。
利用者の身の回りの世話や健康管理、コミュニケーション支援などが含まれます。
介護福祉士の業務の一つとして、ケアプランの立案があるよ。
より高度なスキルが求められてくるね!
ケアワーカー(CW)ってなに?
ケアワーカー(CW)は資格の有無に関わらず、介護業務を行っている方のことを指しています。
したがって、資格を持っていなくてもケアワーカー(CW)と呼ばれます。
業務の中で一人一人に介護福祉士さん・介護士さんって分けるのも変だよね。
レポート作成やケアプラン作成時はCWと訳したほうがスッキリしていいね!
この章のまとめ
介護福祉士はより専門的な知識とスキルを持ち、幅広いケアに関わる役割を果たす一方、介護士は基本的なケアやサポートを提供する役割を担っています。どちらの職種も、高齢者や障がい者、病気などで支援が必要な人々の生活を支える重要な存在です。
介護福祉士・介護士への情報収集のコツ
先輩!
介護福祉士と介護士の違いは分かりました。
ただ、なんだか忙しそうで情報収集のタイミングがありません…
介護福祉士・介護士さんは変則的な勤務形態で朝から大忙し。
夜勤者や看護師さんとの申し送り※2など、朝から仕事はてんこ盛り。
※2 … 仕事を後任の方に引き継ぐ際に、必要な情報を伝えること。
排泄ケアや食事介助の時に情報収集をしようものなら、
たちまち空気の読めないセラピストとして認定されるよ!
空気の読めないセラピスト認定されない為にも、情報収集のコツを3つお伝えします。
– 日頃のコミュニケーション / 雑談
ケアワーカーさんに限らず、日頃のコミュニケーションが大切な基礎となります。
リハ職を目指す者として心得ておきたいのがラポール形成。
業務が始まる前や夜勤終わりなど「夜勤お疲れ様です。ゆっくり休んでくださいね。」
などほんの少しの言葉掛けで、情報収集の質は向上します。
ラポール形成に関する記事は→<リンク>
– 敬意と感謝
お互いの役割や専門性に敬意を払い、相手の貢献を認めることが大切です。
感謝の意を示すことで、協力関係がより円滑になります。
実際の現場で患者さん・利用者さんとの関わりの時間が多いのはケアワーカーさんです。
関わり方や介入方法など参考になることは素直に「参考になります!」
意外な情報を得ることが出来るかもしれませんよ…
– 午後のおやつの時間など / 隙間時間を見計らおう
実際にケアワーカーさんに情報収集のタイミングとして、ベストなタイミングを聞いたところ。
おやつの時間など一通りの業務が落ち着いた午後の時間帯が、ありがたいとのことです。
職場の勤務形態やその日のシフトにもよりますが、ケアワーカーさんの一日のスケジュールを、
把握しておくことも情報収集を行う上で必要になってきます。
さらに、意識しておいて損はないことが、一度にまとめて情報収集しようとしないこと。
ちょっとした隙間時間で細切れに情報収集していくことが臨床ではオススメです。
話掛ける時は、「今少しだけ時間いいですか?」の気遣いの一言があるとgood!
僕の場合は、3分もかけずに情報収集することが多いよ!
なるほど、細切れに情報収集をするのは役に立ちそうです!
でも、僕のような実習生には情報収集の時間が限られてます…
確かに実習生の場合は、バイザーが情報収集の時間を設けることが多いね。
ただ、普段のコミュニケーションをする機会は本当にないのかな?
ふとした、隙間時間にサラッと質問するタイミングを見つけてみよう!
介護福祉士への情報収集 / 実例
理学療法士とケアワーカーは、日々のケアプロセスにおいて情報共有と連携が欠かせません。
例えば、患者の状態変化やリハビリの進捗に関する情報を適切に共有することで、効果的なリハビリテーションプランの調整や、介護プランの最適化が可能となります。
そこで、実際にリハ職の実習生も用いれる情報収集の実例をいくつか挙げていきます。
是非、参考にしてみてください。
昨夜の睡眠状態はどうでしたか?
最近は比較的眠れてそうですか?
→傾眠傾向が強くなれば、リハビリの効率も低下してしまう恐れがあるため。
今日は、利用者さんに下剤入れる予定ありますか?
下剤入れる前にリハビリをして排泄促せるか見てみますか。
→実は、リハビリ30分前に下剤が入っていて、リハビリ中にお祭り騒ぎにならないよう。
食事中の様子どうですか?
注意力散漫な様子とかないですか?
→必要に応じて、食席変更の提案・認知機能評価・注意力評価を行う。
※福祉用具変更した時…
使いにくいとか言ってませんでした?
→必要に応じて、福祉用具の再選定・形態測定などの各種評価を行う。
実習生の場合、事前に質問事項をまとめておこう!
出来ればバイザーや先輩PTに目を通してもらうことをオススメするよ。
忙しい中で時間を取って頂いていることを忘れずに!
分かりました!
実習生向けの情報収集のポイントを教えてもらえると助かります…
お願い、RH-Chihuahua…
RH-Chihuahua”さん”やろ…
じゃあ、全国の実習生の為に、これだけは抑えておきたいポイントをまとめていくよ。
情報収集で必ず抑えておきたい3つのポイント
- 排泄関係
人間にとって適切に排泄を行うことはとても重要なことです。
リハ職としては、便座までの移乗動作・下衣操作など動作関連を中心に聞き出したい所。
リハビリの際と乖離はないか?などの確認が必要となってきます。 - 食事関係
食事摂取量や食事動作に関しての変化はないか?
リハ職としては、食事中の咳き込みの有無・食事摂取量を中心に聞き出したい所。
咳き込みの原因が座位姿勢によるものなのか・嚥下機能によるものなのか、
迅速な対応が求められます。
必要に応じて言語聴覚士(ST)の介入もおこなっていきましょう。 - 睡眠関係
夜間不穏※3になる様子はないか?
不穏になる場合、どのようにどの時間帯で不穏になるのか?
適切に睡眠が取れていない場合リハビリのパフォーマンスも低下してしまいます。
※3 … 落ち着きがなく興奮して行動が活発になる状態のこと
この3つは必ずと言ってもいいほど、情報収集の質問候補には入れておきたいね。
日常生活に関わるちょっとした疑問は、ケアワーカーさんに質問しよう。
間違っても、服薬情報を聞いたりしないように。(実習生あるある)
ありがとうございます!
これで、情報収集がスムーズに進みそうです!
リハ職との関わり
介護福祉施設や病院などで、介護福祉士と理学療法士はチームとして協力し、患者や利用者のケアに貢献しています。その関係性は、クオリティの高いリハビリテーションとケアを提供する上で不可欠です。
理学療法士と介護福祉士は、共通の目標である患者や利用者の健康と生活の質の向上に向けて協力します。理学療法士が運動やリハビリによって身体機能の向上を図る一方で、介護福祉士は日常生活のサポートによって心地よい環境を提供します。双方の専門知識を結集し、個々のニーズに合わせたケアを提供することが重要です。
リハビリの時間は週に数回、それも長くても1時間も掛かりません。
そこで、重要となってくるのが日常生活の過ごし方です。
リハビリに限らず、介護福祉士によるレクリエーションであったり、
食事前の口腔体操など日常生活の中に適切な運動習慣を組み込んでもらい、
日常生活の中で転倒などのリスクを可能な限り軽減して頂く、とても重要なお仕事です。
ケアワーカーさんの介護負担を少しでも軽減できるように、我々リハ職は患者さんや利用者さんの身体機能の向上・適切な介助方法の指導等を行っていきましょう!
ケアワーカーさんあってこそのリハビリです。
いつも大変お世話になっております。
夜勤明けの方は、ゆっくり休んでください。
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