理学療法士を辞めたい人が、続出している件…【原因分析と具体的アクション】

CAREER(転職・副業)

みなさん、こんにちは。
Physical Therapist Life運営者のRH-Chihuahuaです。


理学療法士という職業に限らず、どこかのタイミングで自分のキャリアについて考えることは、多くの人が経験することだと思います。
今回は、そんな自分のキャリアに不安を感じている理学療法士に向けた記事を書いていきます。
今回の記事は現役の理学療法士の方に向けた記事となっていますが、理学療法士を目指す学生さんにも参考になる内容を含んでいるので、是非一読していってください。

現役  理学療法士
現役 理学療法士

このまま理学療法士を続けても将来が不安だ…

せっかく、国家試験まで受かったのに、辞めるにも躊躇するよな…

ああ、どうしたらいいんだ。

RH-Chihuahua
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おーい。休憩まもなく終わりだぞー。

んんん!?どうしたんだ同志よ!

理学療法士のリアルをご存知ですか?

そもそも理学療法士ってどれくらいいるの?


理学療法士の養成校は大学・専門学校に分かれ、養成校の数は以下の通りになっています。

学校総数277校 定員14,920
※日本理学療法士協会調べ
※所管 厚生:厚生労働省 文科:文部科学省
2023年3月31日 現在

日本理学療法士協会ホームページより一部抜粋

全国は47都道府県ですから、養成校の数は1県に5つあるということになります。
これだけの数の養成校があるということからも、理学療法士の人気が伝わってきます。

続いて2023年時点での理学療法士の資格取得者数ですが、約19万人と言われています。
養成校の多さからも、これだけの数の理学療法士がいるということも納得ですね。

RH-Chihuahua
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需要と供給のバランスが心配だね。
続いては、ちょっとダークな話に移るで。

理学療法士を辞めたいと思う3つの理由

  1. 職務の重圧とストレス:
     理学療法士は、患者/利用者さんの、治療を主として、身体状況から就職先によっては、自宅での生活に関することまで幅広い視点でリハビリを提供しなければいけません。

    患者/利用者さんからは、先輩理学療法士であろうが、後輩だろうが関係なく”リハビリの先生”として見られます、治療をして結果を出せなければ、患者/利用者さんからの信頼も損ないます。
    特に現代では、誰しもが簡単に情報に触れることが時代ですから、「口コミに自分のことを、残されてしまったら…」なんて考えると血の気が引けてきますね。

    さらに、リハビリを行う上で一定のリスクが伴うことも忘れてはいけません。
    ・歩行訓練をしていてふとした瞬間に膝折れをおこし転倒
    ・階段昇降時に、段差を踏み外し転倒
    ・エルゴメーターを実施中に急変を起こし意識消失
    ・バランス訓練中に転倒
    ・移乗訓練中にずり落ち
    これらの事故はいつ起きるか予測が出来ません。
    ですから、理学療法士は常にリスクを考慮しながら、リハビリを提供しなければいけません。
    どんなに患者/利用者さんの不注意であっても、リハビリ中の事故は理学療法士にも一定の責任があると判断されてしまいます。

    さらにさらに、医療は日々変化している為、我々理学療法士も常に勉学に励む必要があります。
    仕事が終わってから1時間以上、勉強会を開催するなんてザラです。

    全国の同志の皆さん、毎日ご苦労様です。

  2. 身体的・精神的負担:
     理学療法士は身体や動作のプロフェッショナルとも言われています。
    家族や職員へ、適切な介助方法を指導することも理学療法士の業務に入っています。
    そんな中でよく勘違いされることがあります。
    それは…「理学療法士さんは移乗介助も上手だから、ギックリ腰になんてならないんだろう!」
    僕も現場では同じようなことを何度も言われてきました。
    が、理学療法士も同じ人間です。
    理学療法士であろうが、ギックリ腰にもなりますし足もつります。
    理学療法士の業務では、身体をフルに使うため、どんなにテクニックを持っていても回数を重ねれば、身体は消耗していきます。

    さらに、精神的な負担も大きいのがリハビリの現場です。
    リハビリを必要とする方は何かしらの”不自由”がある訳ですから…
    ・今まで当たり前に出来ていたことが突然出来なくなった。
    ・進行性の疾患の為、リハビリをしても良くなる保障はない。
    ・車椅子での生活となり自分の足で歩くことが容易ではなくなってしまった。
    ・大切な四肢を切断することとなり、慣れない義肢を使ってリハビリをすることになった。

    中には「いやぁ、何もないとこで転んじゃって骨折れちゃったんだよね~はっはっは!年には勝てないねぇ。そんな訳で、リハビリお願いします!」なんて言う元気な患者/利用者さんもいらっしゃいますが、多くの患者/利用者さんは”大きな不安”を抱えてリハビリを開始することが多いです。

    リハビリ中、患者さんに「本当に歩けるようになるんでしょうか…?」と新人の頃に言われた時は、何と言っていいか分からず泣きそうになった経験が僕にもあります。
    ※その方は無事に歩行再獲得出来て、笑顔でリハビリを終えることができました。
  3. 給与や労働条件の不満:
     理学療法士としての職務経験が長い方なら共感されると思います。
    理学療法士を目指す学生にとっては悲報かもしれませんが…

    理学療法士はとにかく給与が上がらない!!!!!!

    何年も働いてやっと役職手当が付く!これで給料も上がるぞ!
    役職手当 \5,000…
    はぁ!?おいおい、何年務めたと思ってるんだ‼
    この年で、転職してもまた振り出しに戻るだけで、転職もできねぇ‼

    これは実際に、僕の先輩が経験した出来事です。(笑)

    新卒で就職した頃は、周りの同級生と比べ初任給も比較的に良いのですが、20代後半・30代になってから少しずつ周りの同級生と自分の給与に差がついてきます。
    しかし、理学療法士の数は年々増加傾向にある為、転職は簡単なようで難しいのが現状です。

RH-Chihuahua
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人を扱う仕事は特有のストレスが付き物やな。
もちろん、職場の人間関係も大きなストレスになりうるで。

○○手技こそ絶対‼ 新人は○○すべき‼
なんて我の強い理学療法士も一定数いることも忘れずに…

なぜ、理学療法士の給与は上がりにくいのか…?

  1. 医療制度や保険の影響:
     理学療法士の給与は、医療制度や保険の仕組みに大きく影響されます。多くの国や地域では、医療費の削減や効率化が求められており、その結果、理学療法士の報酬も抑制されることがあります。
  2. 需要と供給バランス:
     先程も説明したように、理学療法士の資格取得者数は年々増加傾向にあります。
    つまりは、いつでも、理学療法士の替えが効く状態になりつつあるということですね。
    ベテラン理学療法士が退職してもすぐに新卒の理学療法士が続々と入ってきます。
    これでは、給与の大幅な増加は期待できないことも納得です。

RH-Chihuahua
RH-Chihuahua

確かに理学療法士の数は増えているみたいだけど、
これ以上、必要ないという訳でもないで…

実際に僕の職場でもリハ職の増員は毎年のように行われている。
ただ、働く場所にも左右されるのは事実やな。

理学療法士を辞めようか悩むあなたへ

ここからは、理学療法士を辞めようと考えている方に向けた、実践的なアクションプランを提示していきます。是非、参考にしてみてください。

01.思考を整理するために、紙に書き出していく。

 紙に書き出す内容としては、以下の項目を参考にしてください。
 ・なぜ、理学療法士を辞めたいのか?
 ・理学療法士の業務自体不満があるのか?
 ・職場が嫌なのか?理学療法士が嫌なのか?
 ・給料はいくらあれば心に余裕ができるのか?
 ・絶対に譲れない転職条件は?
 ・理学療法士の他に興味があることは?
 ・理学療法士を辞めたいと思ったキッカケはなんなのか?

RH-Chihuahua
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これは、僕も習慣にしている”0秒思考”というメモ術を参考にするといいよ。
誰かに見せる訳ではないので、正直にありのままの気持ちを書きなぐってみよう。

漠然とした不安を抱えて自己嫌悪に陥り、結局何も事が進まない。
何かしないといけないのは分かっているけど、結局何をしたらいいか分からない。
そんな経験ありませんか?
そこで、RH-Chihuahuaが心からオススメするのが、こちらの“0秒思考”
高額な書籍・高額な研修会・高額な商材 一切いりません。
必要なのは”A4の用紙”と”ペン”だけです。

自分の気持ちや、やりたいことなんでもいいです、お題を決めてA4の白紙にどんどん書きなぐっていきましょう。
今、やるべきこと・自分の本音を客観的にみることができるので、漠然と彷徨う時間よりよっぽど有意義な時間となること間違いなしです。


実際に0秒思考を読んでみたいと思う方はこちら↓

02.副業から始めてみる。

 給料に対して不満を抱えている理学療法士は少なくないと思います。
特に20代後半から30代の理学療法士が、給料に対する不安を抱えていることが多いように感じます。
そうは言っても、いきなり多職種の転職も気が引けますよね。
そこで、RH-Chihuahuaがおススメしたいアクションプランが“副業”です。

現役  理学療法士
現役 理学療法士

いやいや、うちの病院は副業禁止してるし…
バレたら、転職どころか無職になっちゃうよ…

RH-Chihuahua
RH-Chihuahua

そう思う理学療法士が大半だと思うで。
ただ、今の時代バレずに副業することは全然できるで。

“副業=悪いこと“ というイメージがまだまだ強く、気になってはいるけど実際に行動に移すことはできていない理学療法士も多いのではないでしょうか?
しかし、副業をすることは法律上悪いことではありませんし、納税の方法を適切に行うことが出来れば、会社にバレることはまずありません。

03.転職エージェントに相談してみる

 多職種への転職と言っても、どの分野の業界に進むことが出来るのかは、年齢や役職によって大きく左右されます。

・20代であれば、体力もあって、0からでも即戦力に育てれるから未経験でも大歓迎!
・理学療法士だけではなく、マネジメントの経験もあるのなら管理職を任せたい!
・病院での臨床経験が豊富であれば、老健でルーキーとして活躍してほしい!
・理学療法士の別に宅建士などの資格もあるのなら、うちの不動産会社へ!

上記のように、その人の持っている資格やスキル・経験・年齢など様々な要因が、転職への可能性を広げることもあれば、逆に限定的になってしまうこともあります。

現役  理学療法士
現役 理学療法士

気が向いたら求人サイトは見るようにしているよ…
ただ、自分にあった求人は見つかってないけどね…
最後に求人サイトを見たのはいつだって?
そりゃあ、半年くらい前だよ…

RH-Chihuahua
RH-Chihuahua

僕らはリハビリの専門職であって求人探しの専門職ではない。
素人がふんわり動いて時間を無駄にするくらいなら、転職エージェントさんに相談や。

君もよくあることやろ?
なんで、もっと早くリハビリ受けなかったん?接骨院の前にまずは病院来いや!
同じ経験、あるやろ??
それと全く同じことやで…

とりあえず求人サイトを見て、「いい求人ないな~」と結局事が進まなないことは、まさしく時間の無駄です。転職を希望しているのなら、転職エージェントに条件を提示して、プロに探してもらうことをオススメします。



以上の3つがRH-Chihuahuaが勧めるアクションプランです。
漠然と不安を抱えて悩んでいるだけでは現実は変わりません。
何か一つでもアクションを起こすことが、現状を変えることに繋がります。
「当たり前のことじゃないか…」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、現状を変えたいのなら、まずはその当たり前をいかに成し遂げるかが重要です。
実際にアクションを起こし、よりよいPhysical Therapist Lifeを送れることを願っています。

理学療法士は続けたいけど、現状に留まりたくないあなたへ

現役  理学療法士
現役 理学療法士

0秒思考をして自分の気持ちを客観的に見ることができたよ。
やっぱり僕は理学療法士を続けたい!
けど、今の職場に不満を抱えているんだ…

RH-Chihuahua
RH-Chihuahua

自分の思いが明確になったというのは大きな一歩や!

理学療法士は誰でも簡単になれるような職種ではありません。
学校・実習・国試など沢山の壁を乗り越えて、ようやく手にした国家資格です。
「貴重な国家資格のスキルを活かさず、完全に違う分野に転職することはしたくない…」
そう考える方も少なくないでしょう。

理学療法士の持つスキルを改めて振り返ろう…

理学療法士は筋肉と骨、そして動作のプロフェッショナルと言われています。
解剖学・運動学・生理学を基礎とした高い専門性を持つ理学療法士ですが、その他にも様々な知識や技術を持っています、以下に列挙していきますので、復習も兼ねて自分の理学療法士という資格の魅力に惚れ惚れしちゃってください。

・適切な福祉用具/補助具の選定(車椅子/杖etc…)
・介助方法の指導(移乗介助/起居動作/起立動作/歩行動作/階段昇降etc…)
・シーティング/ポジショニング
・各種体操の知見(ウィリアム体操/マッケンジー体操/側弯体操/コッドマン体操/ベーラー体操etc…)
・トリガーポイントの把握/効果的なリラクゼーション
・コミュニケーション技術
・効果的な運動様式の知見
・予防的な運動や体操の知見
・高度な動作分析能力(歩行/起立/起居/座位/立位etc…)

このように、理学療法士には勤め先の分野にもよりますが、幅広い知識や技術を持っています。
何も治療だけが理学療法士の行う業務ではありません。
患者や利用者に限らず多職種の身体的負担軽減・腰痛予防などの予防の分野にも必要な知識/技術を理学療法士は持っています。

RH-Chihuahua
RH-Chihuahua

何気なく他人の歩く姿を見て…
あの人は、膝OA気味やな。
あの人は、肩甲骨のアライメント崩れとるな。
なんて分かる理学療法士は冷静になって考えると、凄い能力なんやで。

理学療法士のスキルを最大限に活かす方法…

前の章でもお伝えしましたが、理学療法士は治療以外にも、予防に関する知識や技術を持っています。これらを踏まえて、理学療法士のスキルを最大限に活かすことができる分野を、3つ紹介します。
新たなキャリアの可能性として、参考にしていただければ幸いです。

01. パーソナルトレーナー

 理学療法士のスキルを最大限に活かせる分野の一つとして、フィットネス業界があります。
しかし、現役の理学療法士の中には、このような疑問を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。

「フィットネス業界には、トレーナーの資格を持ったゴリゴリのマッチョ達がいるのでは?」

確かに、トレーナーの資格は数多くありますが、現段階で国家資格のような難関資格は少なく、パーソナルトレーナーとして活躍することも想像以上に簡単で、比較的に参入障壁も低い業界となっています。
しかし、参入障壁が低いことに加え、パーソナルトレーナーとして活動する為に、理学療法士のように、特定の資格は必要無いということもあり、トラブルも多く挙げられているようです。
中には、パーソナルトレーナー自身のレベルに合わせた、無理なメニューをクライアントに提供した結果、身体を痛めてしまいリハビリが必要になるケースもあるそうです。

RH-Chihuahua
RH-Chihuahua

自分はこれでムキムキボディを作れたから、あなたも同じことをしなさい!
トレーナーとしては最低な行為やな…
理学療法士が同じ行為をしたら最悪、訴えられるで…

リハビリは、基本的に1対1で行いますが、中にはリハビリ拒否をする患者/利用者さんなど、コミュニケーションの方法も個人に合わせる必要がある上に、患者/利用者さんの疾患など様々な情報を考慮した上で、リハビリを実施しなければいけません。
理学療法士は、まさにパーソナルトレーナーとして必要なことを、日常の業務で当たり前のように実行しているという訳です。

ウェイトトレーニングなどの具体的な方法や栄養学に関しては、追加で学習が必要なものの、理学療法士には基礎となる解剖学・運動学・生理学の知識が備わっており、高度な動作分析が出来る観察眼も持っている為、比較的スムーズに学習を進めることが出来ると考えられます。

これらの理由を元に、理学療法士がパーソナルトレーナーとして活躍できる可能性は大いにあると言えるでしょう。

02. 一般企業への就職

現役  理学療法士
現役 理学療法士

おいおい、結局は普通に転職しろってことかよ…

RH-Chihuahua
RH-Chihuahua

まあまあ、まずは僕の説明を聞いてや…
あくまで、理学療法士としての話をしていくで。

 これは、あまりメジャーではないでしょうが、理学療法士として一般企業へ就職する方法もあります。
一般企業の職員向けに理学療法士がボディケアを行う・一般企業のWebサイトの記事を理学療法士として執筆する・一般企業向けに理学療法士として研修会を行うなどの、BtoBのサービスに関わることも可能です。
実際には、独立した理学療法士が業務委託として、研修会などを行うことが多いですが、理学療法士のスキルを活かす方法としては、まだまだ可能性のある分野の一つとして考えられます。

BtoB … ”Business to Business”
企業から、企業に向けたサービスを提供することを意味します。

03. 妊婦を対象とした、産後ケア

 これまた、理学療法士としてはメジャーではないでしょうが、理学療法士としてのスキルを大いに活かすことができる分野の一つとして考えられます。
その理由として、出産後は腰痛・肩凝り・尿漏れ・骨盤のアライメントが崩れるなど、様々なトラブルが起こります、そこで理学療法士の得意分野でもある、姿勢矯正や運動指導・動作指導が有効です。

小児科領域に携わる理学療法士であれば、興味がある分野ではないでしょうか?
自分のキャリアの幅を広げるためにも、学習してみてはいかがでしょう。

まとめ

 理学療法士の仕事は、患者/利用者さん一人一人の個別のニーズに合わせた治療プランを立案し、実施するという点で大変さがあります。患者の状態や制約は異なるため、同じアプローチが通用しないことが多く、患者の身体的な動きや機能を改善するために、直接的な介入が必要とされます。患者を支えたり、運動させるために体力を要する作業が多いため、日々の仕事が体への負荷となることがあります。

また、単純な症例だけでなく、複雑な症例や難病にも対応する必要があります。これには高度な専門知識とスキルが必要であり、新たな状況に適切に対処するための能力が求められます。そのため、学習と成長への意欲が重要であることに加え、理学療法のアプローチや技術は常に進化しており、その変化に追従するためには継続的な学習が必要です。医療の進歩に合わせて自己啓発を行い、常に最新情報をキャッチアップする努力が求められます。

確かに、理学療法士としてのキャリアに不安を抱えることもあるでしょうし、多職種への興味が湧くこともあるでしょう、しかしそれは個人の判断で自由に選ぶことができます。
今回の記事が、あなたのPhysical Therapist Lifeをより良いものに出来るよう力になれれば大変嬉しく思います。

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